暗闇を信じてもいい。

愛しちゃだめです!!!(自戒)

知らない記憶を求めて

「明るい夜に出かけて」の舞台に好きな人が出るから、金沢八景を中心に聖地巡礼とやらをやってみた。原作ほぼ未履修のブレた旅。旅路・帰路の電車でしたメモまんまの寄せ集め。

 

 

はじまり:旅支度

写真だけ撮っておきたかった。“エモい”話だから写ルンですを持っていこうと思ってバレンタインの日に写真屋さんで買ってきてできるだけ“エモい”感じで行きたいなと思ってサブカルチックなエモさを求めて普段着ないような服に、メイクに、有線イヤホンに、みたいな格好で海苔みたいな前髪だけケープで止めることにした。
富山のベーシック・カラーはオフホワイトらしいから私の数少ない白いトレーナーを着て(でもコートは黒かった)メイクの失敗もエモいってことにして野暮ったいアイラインを引いてブラウンのシャドウに目尻だけあげたまつ毛、マスカラのダマはどうしてもイヤだからコームを通して、束感のないセパレートもやぼったくていいとかぬかしながら“あえて”の一重で。久しぶりにバームのリップを持ってきて(高校の時の相棒)こないだもらったリップを重ねた。髪は三つ編みにしようか迷ったけど崩れるのがイヤだし2つ結びで前髪だけアイロンを通した。マフラーを巻いてコートを着て安くで買った指輪を適当にはめて家を出た。エモいがわかんなくてとりあえずロール・オンタイプの甘い香水をつけた。めっちゃ甘いやつ、つけすぎた。

 

金沢八景

コンビニまで

シーサイドラインの乗り場はすぐそこでちょうど電車が停まっているから車体が気になりつつも見なかったことにして線路沿いを歩いた。実はここで道に迷っていて、平潟湾沿いを歩くつもりが国道の方に行きそうになっていた。適当な道を回って駅に戻ってシーサイドラインの高架下を歩いた。
平潟湾沿いの道は確かに海の匂いがしなくて、湾のそばにはいくつもしかくい石の椅子があって、なぜだか学生のリュックと靴が置いてあったりしていた。きらっと空に光るものがあった。車体が太陽の反射で眩しいなと思ったが、飛行機って車体じゃなくて機体だったなー・・・わたしはただぼーっと真っ直ぐ歩いて、シーサイドラインの車体が撮れたらいいなと思っていたのも束の間、シューっと音がして頭上を銀色の四角が通っていった。やっちゃったなぁと次の電車の時間を調べる。意外と間隔は空いてないみたいだった。10分あれば1回くらいみられる頻度で電車はいた。アングルがまぁ良しな椅子を見つけて待機する。後5分くらいあるかなー写真でも撮るかとカバンから本とアクリルスタンドを引っ張り出して並べて撮った。ただ風が強かった。本の表紙はひっくり返り、その上に載せていたはずのアクリルはカランと音を立てていた。なんとか写真に収めたと思ったらちょうど時間が来ていてその場で急いでカメラを構えて撮った。日陰から出ずに。ちょっと、いやかなり心配。気休めかもしれないけど日向に出て取ろうと思っていたはずだった。まあ写真は撮れたしと思って平潟橋の方に歩き始めたらなんと日の当たりの良いデッキが…‼︎道と地続きのそこは心地良さそうでシーサイドラインの眺めも完璧だった。あと10歩歩いていれば…と悔しい思いをしまい込んでとにかく橋まで、と歩いた。意外と横断歩道がない。一度逃したらもうないんじゃないかってくらいない。押しボタン式の信号とか、わたししかいないのになーって気持ちになっちゃって押せない(押しました)
ただ平潟橋を本と同じ角度で撮りたかっただけだ。そのために、押せたんだ…。平潟橋の手前のベンチのとこで荷物をガサゴソして用意したいろいろを掲げて撮った。(ベンチは経年劣化なのか一つは壊れていてもう一つもコーンがしてあった)まあ、おっけーかな夜も来るつもりだしとその場を後にした。すぐ先の歩道橋、ここもでてきたはずで。
初期ホームページのアングルがわからない。ちょっと…断念。

 

富山の帰路をなぞる

ミミさん突き飛ばしちゃった帰りのルートを再現して六浦東まで歩くことにした。関東学院大学の高校と大学の間の道に逸れて、ここって本当に学校の人と地域の人しか歩かんなとか考えてたら鳥が泣き出した雀かなーちゅんちゅんかわいいなと思ってたのにブザーみたいな鳥もいた。最初、なんらかのセンサーに引っ掛かっちゃったんじゃと心配になるくらいだった。(怯えすぎ)気にしないで学校を通り過ぎたらすぐ住宅街になっていて道も狭かった。意外と長い道を歩いて共立の脇から国道16号に出て八景よりの高架下トンネルを通った。かわいかったから行く人は見てきてほしい。高架下を抜けるとすぐあるのは小学校でとりあえず高台の方面だなと思ったわたしは坂道を選んだ。(勘ははたらくほうである)地図であたりはつけていたもののマッピング能力はカスなのでテキトーな道を選んで坂を登った。流石に道を逸れたなと思ったからスマホGPS付きマップアプリで方向を是正した。途中右折の車と会ってしまい咄嗟にごめんなさいと駆け出してしまいましたごめんなさい。とりあえず公園、ぐるっと回って墓地の入り口を見つけた。登ったところで確かに見晴らしがいいなと一枚だけ写真を撮った。(今更良くなかったかもと後悔しているが)最後にお邪魔しましたと一礼して階段を下る。岐路で入口じゃない方に行ってみた。六浦の駅に向かってしまいそうだったから折り返して追浜を目指す。途中の高谷公園?によったら健康遊具があって運動しているおばさまがいて微笑ましいこと、と誰目線な気持ちになった。

墓のすぐ近くにアパートがあって、永川くんが持ってきたイラストと全く一緒だったからびっくりした多分舞台の中で1番

 

追浜へ

ほとんど同じ道を戻って同じ高架下をくぐって16号線に出る。道沿いには確かにスナックとかがたくさんあった。なるほどなーと思いながら目的地を確認し道路を渡る手段を考えていた。横断歩道の渡るタイミングは逃したので、、すぐに歩道橋が見えた。待つのは苦手みたいで、だから立ち止まらなくていい歩道橋は助かる。手前の踏切で電車がもう来る感じだったしちょっと待ってふつーに写真撮ってから歩道橋渡った。真っ直ぐ歩けばすぐに追浜の商店街。目的地があったので“大通りを進む”ということだけを頭に置いて歩いていた。おかしい、遠すぎると思ったから地図を見たらやっぱり間違っていた。間違った記念に写真を撮ってとりあえず反対に渡って折り返した。ちょっと遠いかなとも思ったけれど意外とそんなことはないらしい。商店街にはマリノスの応援幕が垂れていた。一応横須賀ですよね?っていうのはまあよしとして、ご飯屋の並びにあった、なか卯。駅前のなか卯ってここであれよ。記憶の中では初めてなんじゃないかなと思う。炭火焼き親子丼にプリン。色々。用意してぱしゃっとしておいた。フラッシュは流石に申し訳ないと思っていたから普通にぱしゃっとした。写ってるといいなぁ。歩き疲れたから追浜駅から電車に乗ってそのまま八景島に。水族館好きだしシーパラダイスを堪能した。客層の内訳は9割カップルで、残りの9分5厘ほどが家族連れ、あまりの五厘がぼっち。

 

散歩と夜の金沢八景

日が暮れないうちにと焦りながら閉園前のシーパラダイスを後にして橋を渡ってすぐ沿岸を歩く。海の公園は岩場があったり潮干狩りの海岸があったり、ランニングや散歩の人で賑わっていた。わたしは苔の生えた石段の群れで鳥の写真を撮ってから砂浜をシャクシャク歩いた。まだ日暮には早いかなと思いつつもかなり傾いた太陽にレンズを向けた。計画では、平潟橋に着く頃には日が落ちきっていて夜になっているはずだった。日が沈んでも意外と明るいんだなーと空を眺めていた。沈む足にも飽きてきてレンガの道へ戻る。地図で確認しながらそろそろシーサイドラインの高架下に戻った方がいいことを知る。そのすぐ下は道路と長い公園があった。わたしは蛇行しながら野島にわたる橋まで歩いた。橋は人・自転車・自動車のレーンがあって曲がった線路が綺麗だった。オレンジに染まった三角と四角を眺めてから進む。ゆっくり公園を眺めていこうかなとも思っていたが知らない暗い街を歩くのはあんまり好まないから真っ直ぐ夕照橋に向かった。名前の由来は知らないが真っ白の橋はまだ赤い空とよく馴染んでいた。わたしの気弱な性格のせいで押しボタン式の横断歩道を渡り損ねてしまったので東京湾に続く水路?沿いを歩いた。
ずっと信号がない。セブンイレブンを過ぎて100円ローソンを過ぎて目の前にローソンがあるところまでなかった。
(ちゃんと押しボタンを押すことを薦めます)
なんとか信号を渡れて、とりあえず100円ローソンに入る。何を買うかは決めていて、でもあるかが不安だった。最近あまり見かけない気がしていたから。わたしがザーッと読んだ本編の中には飲み物は2つ出てきた。1つは富山がラジオを聴きながら飲んでいたプレミアムモルツ、もう1つは佐古田が買ったドデカミンこれは“ネタ”らしい。外で1人でお酒を飲むのもなぁと思ったからドデカミンにした。ストロングはなかったけど。やっぱりパッケージ変わったかな?と思ったのはまあよしとして、歩道橋へ向かう。日はまだ暮れ切ってなかったから野島じゃないのに野島の名がついた公園を歩いてみた。学生がよく通る道だけど、公園。違う道で引き返したらちょうど小さな展望台があった。せっかくだからとのぼってアクスタと島の写真を撮ってみた。まあ、はい。

ちょうどしっかり暮れるかなーって時間にもなったし、歩道橋に戻る。ホームページのアングルわかんないって思いながら橋を越え、平潟橋を渡って文庫本表紙のアングルに合わせてスマホを構えた。ブレたけど。アクスタとも取ろうかなと思ったらボタンが押せないあー、電池切れだ。モバイルバッテリーは最後の力くらいしか残っていないが温存していてよかったなーとケーブルを差してそばのベンチで待っていた。灯りがきれいだった。なんとか復活して富山の表紙を今野のアクスタで再現してみた。まぁまぁな出来。スマホ切れると流石にしんどいなーと出来るだけ写真撮んないで地図も開かないで歩いた。帰る道はもうなんとなく決めていた。侍従川に沿って歩いて国道16号に出る。そのまま国道を進んでいくと金沢八景に辿り着く。途中の侍従川沿い、高校のグラウンドで部活に励む生徒。そんなに遠い話じゃないけど懐かしい気持ちになった。国道方向の光の束は信号機の彩度だけ高い。赤に青、いや緑か、目立つ色の他は全部真っ白に見えた。途中橋もあったけどスルーして国道にでた。金沢八景方面には100円ローソンがいくつかあったしごはん屋さんも多くあった。たこ焼きに、台湾まぜそばに、気を取られながら食事の予定は他にあったから、ここで食べる予定はないの、と我慢した。のんびりと歩いていたら目の前に京急の列車が見えた。ちゃんと着けそうだなと一安心してまた歩を進めた。駅前の幟とかとりあえずひとしきりみて疲れてるしと言い訳しながらwingのエスカレーターを使って駅の階まで。案内も出ているからちゃんと出られた。光る駅の表示を見て旅の終わりをただ感じていた。


富山は光を見たいと言った。なぞるように歩いていた。
2月にしては暖かい夜、かぁ。きっと違うだろうなぁと思っていた。…ら、ずっと歩いていたからか、寒さは感じなかった。

 

おまけ:逗子

せっかくだったから逗子にも行ってみた。少し遠回りして。作中にも、違う海として出てくるし。実際“違う海”なのはその通りだった冬なのに人がたくさんいてサーフボードにカヌーが浮いていた。逗子海岸からは富士山も江ノ島も見えて対岸の陸がなんだか不思議だった。
帰り道は違う道で逗子・葉山の駅へ
暮らしに基づいた街だと感じたのは歩く人の方向がみんなおんなじで、着いていけば駅につけそうだというのがわかったこと。

 

 

感想

記憶力弱弱人間なので、パッと思い出せることってあまり無いけど、大千穐楽公演の前にちょっと道と灯りを思い出してみたら、公演中に少し見えた気がした。

私は勝手に街の灯りになるつもりで見に行っているって話しましたっけ、光ってないけど、ただ無機質でいて暖かいもののふりをしたいだけ。

散歩好きなので楽しかったです。正直に言うとなんで隣に富山いないんだろうって泣きながら歩いた時があった。写真は気が向いたら載せます。

墓地からの景色。快晴だけど海は空に溶けている。