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演劇を見たという所感-フォーティンブラス

先日、佐々木大光主演舞台「フォーティンブラス」を観劇した。その感想をまとめておこうと思う。

はじめに、見終わって直後には感想がうまく言葉にならなかった。セリフが早口な場面も多く2時間という時間で想定よりも多くの情報を頭に流し込んだというような感覚があった。しばらくしてようやくまとまった感想のはじめが「演劇を見た」という気持ちだった。

 

 

「演劇を見た」という実感

ストレートプレイであることも要因の一つだがきっと話のうらにたくさんの人間を見たからだろう。もとはシェイクスピアの「ハムレット」であり、その脇役の1人に注目した劇団善人(原扉座)横内謙介の「フォーティンブラス」があり、そして何度も上演されたこの作品の今回はチームアルパードが演出をつとめた公演である。人が作ったものの積み重ねである。物を作る人は皆なんらかの意図があるとした時、ここで重なったのは何人分の重み、主張だったのだろうかと考える。観劇から時間が経ってもさまざまな場面を思い出し色々な角度から考えている事実こそがその答えだと思う。

 

内容について

適当に書くとよくわからないことばかり言ってしまいそうなので大枠のみ書きます。"たくさん考えたこと"の内訳は、

・役者として・舞台で成功するとはどういうことか:"そんなん"でも憧れの正美さん

・脇役の在り方とは:内容全部読まない人、遅刻する人、台本フル暗記の人。舞台を良くするためには?

・カーテンコール「その他、大勢でした!」:おそらく脇役の在り方、誇りを持っているということ(まだ理解できていないので分けました)

・性のあつかい:解決はしていない

 

あらすじにおいても記憶が怪しいので多くは触れないが、物語の結末について。私はなんとなくそうだろうなというか、何もわかっていないはずなのにとても腑に落ちたような気持ちでいた。「悲劇というものは死んでこそ意味がある」という羽沢のセリフと繋がってるということなのでは!と言っている方がいて本当の意味で腑に落ちた(私は観劇後に最後の本番中初めから死んでいたのでは!?とか考えてましたが観劇後時間のたたない新鮮な感想に勝るものはないです)

 

どうしたってオタクなので最後に役者について書いて終わろうと思う。

役者と演技の感想

佐々木大光(羽沢武年役)

客降り時を除いて、素の羽沢でいる時より亡霊登場後に乗り移ってしまったフォーティンブラスをしてる時の方が似合っていたと感じた。ほわっとした頭で昨年のミュージカル「GYPSY」を思い出していた。一人称僕のファンタジー適性がエグそう。演技してる時の声は程よく非日常できらきらしている感じがある。ファンタジー寄りの作品、もっと出て欲しいです。  ちなみに束の間の一花の時は日常を演出している様子がとてもよかった記憶があります。声も素(?)に近いからかな?

鈴木悠仁(岸川和馬役)

岸川和馬という役はとても良い役だなと思いました。もしかするとこの作品で1番良い役者かもとも思いました。作品への向き合い方がかっこいい役でそれを本当にカッコよく演じていてとてもよかった。顔は濃いタイプだよなと思っていたけれど案外あっさりとした日常がよく似合うのかなと思った。(上で束の間の一花をしていた大光くんに対しても同じように思っていますがもしかして、声が低めで寡黙なキャラを日常だと思っていません?)こういう人、いるな〜という感じがある。あっさりと、冷めているようでずっとかっこよかった。

 

リンク:フォーティンブラス2024公式サイト